芥田谷の風土と気候
おいしいお米がとれる芥田谷、自然豊かな里山で育まれる「清流きぬひかり芥田川」そのおいしさの理由を紹介。
芥田谷の風土・気候

兵庫県中南部に位置する加西市、その中でも最北端の山間部に芥田の谷があります。
兵庫の一級河川「加古川」の支流のそのまた支流の源流「芥田川」流水域で、東西北の3方を山に囲まれた山間の小さな村里で私たちは生活しております。元々は山の中、先人達が開拓、そのほとんどが山間部で占め、山間の船底状の谷地形をうまく活用し山の中腹から芥田川に向う傾斜地に民家と田畑が段々に重なって生活しております。
夏は最近でこそ日中は30度を超える日も多々ありますが、夜は涼しく窓を開けて寝るとかならず風邪をひくありさま…、冬は朝晩は氷点下の日がほどんど、豪雪地帯ではありませんが、雪も積もります。一年を通して日中と夜の寒暖差の大きいのが特徴です。
戸数は村全部で70戸程の小さな集落で、限界集落 とまではいきませんが過疎高齢化が進行した地域であることは間違いありませせん。その住民のほとんどは兼業農家で、その生活は半自給自足、里山の恵みと田畑の農作物など季節折々の自然と共に生活を営んでおります。旧くからある家は、お互いの名前を氏名ではなく屋号で呼び合ったり…そんな素敵な風習ものこっております。そんな日本のふるさとの風景の残る山里の小さなしずかな農村です。
そんな「芥田谷」は、いまだ多くの自然が残っております。ふと辺りの自然に目をやると大人の私でさえもワクワクするような…、何と申しますか童心に還ってしまうのでしょうね、子供の網を取りあげて虫を追いかけてしまう始末。昔の思い出が蘇ってきます。
田舎度のバロメーターともいわれる「日本タンポポ」も未だ多く自生。梅雨の季節には日が暮れるとせせらぐ道をたくさんのホタルが飛び交う。夏は小川でドジョウやサワガニや魚を捕ったり、山に入ってカブトムシやクワガタ捕り…と未だ沢山の自然が残っています。
昔から盛りの短いものを旬として何かと人を楽しませてきましたが、そんな季節折々の旬を五感で感じ楽しませてくれる。そんな場所のように思うのは私だけでしょうか。





写真 左から
- 冬の芥田谷
- さわがに
- へびのぬけがら
- ニホンたんぽぽ
- いもほり
おいしいお米を育む芥田谷
…内陸地方独特の寒暖の差がおいしいお米を作ってくれるんですね

そんな芥田の谷では、昔からおいしいお米が採れます。内陸の東西北の3方を山に囲まれた山間地域、 その気候は、土地柄か一年を通して日中と夜の寒暖差の大きいのが特徴です。 そんな芥田谷の土質は大変水捌けの良い砂土で、まず田んぼに水を張るのに一苦労します。田植えから稲刈りまで、一日に数回、田んぼに水を入れないと 干上がってしまいます。低い水温の水源を利用する影響で稲の生長も遅く、また東西に山がある為日照時間も平地より少なく、病気等で他の地域より収穫量も少なくなります。 いくら上手に作っても平野部の75%の収穫量が限界です。さらに限りなく農薬は使わないので、収穫量はさらに減少…。
・平成19年度…例年の68%の出来具合(病気・害虫・害獣による被害)
・平成20年度…全体に例年並み。
芥田谷大橋では害獣(イノシシ)により 例年の28%の出来具合。
・平成21年度…例年の86%の出来具合。
6~7月の長雨と8~9月の日照り、病気・害虫による被害。
というのが芥田谷の米づくりの現状です。 それにくらべ一般的に「日本の米どころ」とされているような平地の田んぼでは、泥田が多く一度田んぼに水を入れると稲刈りまで途中それほど水を足すさなくても済むとか… 。 それくらい水持ちも良く、こういった泥田のほうが収穫量も多くなります。夏の日差しを浴び水温も上昇、稲の成長を助けてくれるのでしょう。 このように「米づくり」においては、芥田谷の様な砂土の田んぼより、平地の泥土の田んぼの方が向いてるんですね。 さらに、芥田谷の田んぼの畦(アゼ)の高さを見て頂ければ想像できると思うのですが、草刈だけでも、平野分の3倍以上の手間ひまがかかります。 先祖代々受継いできた土地、決して稲作に向いている土地ではありません、しかし、ひと一倍の手間と愛情を注いでおります、 そんな私たちの想いと、それに答えてくれる豊かな自然環境から、芥田谷では昔から「おいしいお米」が採れるのではないでしょうか…。





写真(左から) ・田植の様子 ・秋の稲穂 ・田んぼ水入れ ・稲の花 ・里山の風景
「おいしいお米」支える清らかな水
ホネンエビ
田畑には清流芥田川と山からの清水を利用しております。その水質は、田んぼを取り巻く水辺の環境をご覧頂ければ理解して頂けると思います。 このホウネンエビ、環境に非常に敏感な生き物で水田環境のバロメーター的存在でもあります。江戸時代には「豊年魚」とか「豊年虫」と呼ばれ、 これが水田に現れた年は豊作になると喜ばれたそうな…、しかし化学肥料、農薬散布の普及と共に姿を消した生き物です。





ホタル
梅雨に入るとホタルの季節です、日が暮れると、網と虫カゴを持ってホタル採りにでかける子供達、せせらぐ道を一緒に歩いているだけで服にポツポツ留まって来る程、
ほんの数分足らずで、本当に沢山のホタルを捕まえることができるのですから…。
昔はどこの地域でも見られた初夏の風物詩なのでしょう。いつの頃からか天然記念物となり、本当は捕ってはいけないのですが、
ここでは今も昔も何等変わりません。清らかな水と共に昔ながらのふるさとの風景がここには沢山あります。





米作りにまごころをこめて…

私たちのお米作り、昔しから何ら変わった事はしておりません。当たり前の事ばかりでございます。現代においては、 もしかしたらこれが本当の贅沢なのかもしれませが…。
米作りについて『八十八と書いて「米」という字になるように88の手間ひまがかる…。』なんてよく耳にしますよね?
でも芥田谷の農家は声をそろえてこう言います。
「米作りの労力と手間を考えると…、とてもじゃないけれど作るより買った方が格段に安い。」
まさにその通りで、一枚一枚の田んぼが小さく生産性の悪い芥田谷では、これが芥田谷の農家の素直な声でございます。だから専業で生計を立てている農家は芥田谷には一軒もありません。
でも、こんな時代だからこそ家族が口にする食べ物は自分たちで作る。兼業農家だからこそ、生産性よりも質、安全で安心して食べれる物にこだわれるのだと思います。
ホームページで「おいしいお米」と謳っていますが、村に住む私たちにとっては(美味しいお米)とか(不味いお米)とかではなく…これが昔からの当たり前の味、当たり前の美味しさなのです。
愛する家族が毎日食べる物だから…、小さな子供やお年寄りが毎日食べる物だから…、元気に育ってほしい…、長生きしてほしい…。だからこそ安全で安心して食べられる物を…。そんな願いだけで作っています。
また我が家では子供達も一緒に田畑で作業をします。自然から学ぶ事は本当に沢山あり、小さな生き物からは命の尊さであったり…、食べ物の大切さであったり…。子供たちにとっては遊びの延長のようなものなのでしょうけれど、その過程で自然にたくさん触れて、いろんな事を感じとってくれたら…。食育ではないですが、人を良くすると書いて「食」という字になるように、良い子に育ってくれれば…そんな思いも込められています。
そんな「まごころ」のこもった里山農家のおいしいお米「清流きぬひかり芥田川」、きっと皆様にも喜んで頂けると思っております。
「清流きぬひかり芥田川」は完全予約制です。
おいしいお米?農家がいつも食べている普通のお米です!
お米は梅雨の時期を越すと著しく品質が落ちてしまいます。もちろん低温冷蔵庫で玄米保存、管理しているので、その心配はないのですが、やはり新米が獲れる時期には新米を食べたいですよね。それは私たち農家も同じでございます。だから、今期のお米は今期中に消費し、秋の収穫と当時に新米を食べる。
しかし余分な保有米(お店で言えば在庫)を抱えるてしまうと、どうしてもこのバランスがくずれてしまいますよね。
いったい古いお米はどこにいくのでしょうか…。決して混ぜる事が悪いとは言っておりません、ブレンドの仕方しだいでは逆に料理によって相性がよくなったりしますよね…。でも「里山農家のおいしいお米」では、「何もしない収穫したそのまま」「本当のお米の味」「本当のお米のおいしさ」をお伝えしたい。そもそも、それ自体もおかしな話で、これが私たち農家からすればごく普通の事なのですが…。そういう思いから「完全予約制」にしております。食べる分だけ、欲しい分だけを作付けする、我が家が食べる自家消費分とお客様の受注分のみしか植えません。
お米の中に こんな米粒 入ってませんか?
神経質な方はご注文を御控え下さい。
虫たちも機嫌よく食事をした証拠?
お米のなかに、白く変色していたり、黒くいびつな形の米つぶをみつけたら、それは虫たちも機嫌良く食事をしたんだなと思ってください。イナゴがかじった米つぶ?や、かえで(カメムシ)が吸って一部褐色した米つぶなど…。
形はいびつですが、私たち人間にとっても無害です。十分に食べられます。

雑草の種
お米の中に、ヒエやクサネムなど、雑草の種が混ざることがございます。刈り取った籾(もみ)を玄米にする段階で、ふるいにかかるのでほとんど取り除けるのですが…どうしても玄米のなかに混ざる事があります。もちろん無害ですのでご理解の程よろしくお願いいたします。


小さな石
ごく稀に小さな石が混ざっていることがございます。
玄米にする段階でほとんどが取り除かれるのですが、中に混入する事もございます。
※精米時には、石抜き装置付の精米機のご利用をおすすめいたします。